艦船模型用語集(Ship Modeling Grossary)


◆ 船体関連


■ 船体(Hull)

艦の主要部分となる構造体。浮力を生み、内部に機関部・居住区などを収める。
模型では最重要パーツで、精度次第で完成度が大きく変わる。


■ 艦首(Bow)

船体の前方部分。波を切る形状となっており、艦の性格や時代で形が大きく異なる。
模型ではシルエットを決める重要ポイント。


■ 艦尾(Stern)

船体の後方部分。舵やスクリュー軸が集まる区画で、船の操作性を左右する。
模型では反り(シア)や段差が多く、調整が必要。


■ 舷側(Side Hull)

船体の側面部分。舷窓・手すり・舷外電路など各種ディテールが配置される。
ウェザリングの見せ場にもなる。


■ 甲板(Deck)

船体上面の平面構造。用途に応じて上甲板・艦首甲板・艦尾甲板などに分かれる。
模型では色分け・リノリウム押さえ金具の再現がポイント。


■ 喫水線(Waterline)

水面に接する線。WLモデルではここで船体が分割される。
現物では積載量によって上下する。


■ バルジ(Bulge)

船体側部に設けられた膨らみ。防御強化や復元性向上が目的。
模型では微妙な膨らみの再現が難所。


◆ 推進・操舵関連


■ スクリュー(Propeller)

艦を前進・後退させる推進器。2軸・3軸・4軸など艦ごとに配置が異なる。
模型RC化でも重要パーツ。


■ 舵(Rudder)

艦の向きを変える装置。艦尾下面に配置される。
模型では直進性に大きく影響するため慎重な取り付けが必要。


■ シャフト(Shaft)

スクリューを回転させる軸。艦尾から機関部まで伸びる。
模型では左右の角度・高さの調整が仕上がりを左右する。


◆ 上部構造物


■ 艦橋(Bridge)

艦の運用を司る指揮中枢。司令塔・羅針艦橋・見張所などを含む複合構造。
模型では窓枠や支柱の繊細なディテールが特徴。


■ 煙突(Funnel)

排煙を逃がす構造。形状は時期・艦級で大きく異なる。
煤汚れのウェザリングが映える場所。


■ マスト(Mast)

見張り所・通信装備・レーダーを設置する塔状構造。
模型では水平・垂直の狂いが目立ちやすい。


■ クレーン(Crane)

水上機や艦載艇を移動・揚収する装備。
模型では細長いパーツが多く破損注意。


■ カタパルト(Catapult)

水上偵察機を射出する装置。
角度調整やディテール再現が模型の見せ場。


◆ 兵装関連


■ 主砲(Main Gun)

艦の主力火砲。砲塔型・露砲型などがある。
模型では砲身の真直度・砲塔旋回基部の仕上げが重要。


■ 副砲(Secondary Gun)

主砲を補完する中口径砲。対駆逐艦戦闘などに使用。
模型では小型だが存在感がある部位。


■ 高角砲(High-angle Gun)

対空・対水上兼用砲。仰角の広さが特徴。
模型では照準装置や防楯の細部再現がポイント。


■ 対空機銃(AA Gun)

近接対空火器。25mm機銃などが代表的。
模型では台座・弾薬箱・防盾など細部が多い。


■ 魚雷発射管(Torpedo Launcher)

水上艦から魚雷を発射する装置。単装・連装・四連装など。
模型では回転角度や配線類の再現が映える。


◆ 艦載機・装備関連


■ 水上偵察機(Recon Seaplane)

偵察・着弾観測を担当する艦載機。
模型では翼端の取り扱い注意。


■ 防舷物(Fender)

艦の側面を護るクッション。係留時に使用。
模型ではゴム質の質感表現がポイント。


◆ 模型制作関連


■ エッチングパーツ(Photo-etched Parts)

金属薄板で作られた極細ディテールパーツ。
手すり・ラダー・レーダーなどの精密化に必須。
扱いが繊細で、折れ・曲がりに注意。


■ バリ取り(Flash Removal)

成形時にできた余分な薄い膜(バリ)を削り取る作業。
模型の見た目を整える基本工程。


■ 仮組み(Dry Fit)

接着前にパーツの合わせを確認する作業。
隙間の有無や勘合の状態をチェックする。


■ ウェザリング(Weathering)

実艦の使用感・経年劣化を表現する技法。
錆・汚れ・退色などをリアルに再現する。


■ 艤装(Fitting-out)

艦の装備を配置・取り付けること。
模型においては“最後の仕上げ段階”となる。

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