
Testing the Bambu Lab Cool Plate with PLA and PETG
この記事でわかること
- Bambu Labの常温プレートは密着が強いのか?
- PLAの1層目が安定するか
- 大きな模型用パーツでも反りや剥がれが起きないか
- PETGにも使用できるか
- 印刷後の剥がしやすさは設定でどう変わるか
まずは結論
Bambu Labの常温プレートをPLAとPETGで使ってみたところ、ベッドを高温にしなくても1層目は安定し、大きな模型用パーツも問題なく印刷できました。
一言で言えば、検証したPLAやPETGではデフォルト設定のままで十分な密着性がありました。
逆に私が普段設定に入れているような、一層目の密着度を高める設定ではかえって密着しすぎてブリル部分や小物ではかなり
取りにくい結果になりました。
ただし、これはプレートそのものが使いにくいというより、密着力の高いプレートに対して、さらに密着を強める設定を重ねたことが原因だと考えています。
実際に今回印刷したジオラマベースの床面のような広いパーツでも、デフォルト設定にすれば角が浮いたり、途中で剥がれたりすることはありませんでした。
印刷後はプレートを軽く曲げることで、べりべりときれいに取り外せています。
結論として
常温プレートは、デフォルトに近い設定から使い始めれば、印刷中の安定性と取り外しやすさを両立しやすいプレートだと感じました。
常温プレートが注目される理由

一般的な3Dプリンター用プレートでは、PLAを印刷するときでもベッドを60~65℃前後まで加熱します。
PETGでは、さらに高い70℃くらいの設定温度を使用することもあります。
常温プレートは、プレート温度は上記では35℃になっています。PETGでは0℃、すなわち加熱なしの気温ということです。
(逆に冬場は幾分か加温した方がいいかも知れません)
プレート表面の密着力を利用することで、ベッド温度を低く抑えながら印刷できるのが特徴です。
加熱時間を短くできるほか、印刷中の消費電力や室内への放熱も抑えられます。
特にBambu Lab A1シリーズのようなオープン型プリンターでは、ベッドから発生する熱を減らせることは普段使いの快適さにもつながります。
ただし、常温でも使えるほど密着力が高い反面、「印刷物が剥がれにくい」という声もあります。
そこで今回は、PLAとPETGを実際に印刷し、印刷中の安定性と印刷後の取り外しやすさを確認しました。
Bambu Lab A1に常温プレートを装着
今回使用したのは、Bambu Lab用のサードパーティの青い常温プレートです。
プレート表面には細かな質感があり、一般的なPEIプレートとは見た目や手触りが異なります。
A1への装着方法は、通常のビルドプレートと変わりません。
プレートを交換したあと、Bambu Studio側でも使用するプレートを正しく選択して印刷します。

【常温プレートをA1に装着した状態】
最初にプレートを触った時点で、表面の密着力はかなり強そうに感じました。
ただし、実際の使いやすさは印刷中の安定性と、印刷後に無理なく剥がせるかの両方で判断する必要があります。
今回使用したのは、Bambu Lab A1に対応した青い常温プレートです。
一般的なPEIプレートとは異なり、ベッドを高温にしなくても1層目を密着させやすい表面になっています。
私が使用した常温プレートは、YOOPAIコールドプレート(mini用)です。
様々なサードパーティメーカーから出ているので購入実績の多い商品から選んだ方がいいでしょう。
また、A1用とA1 mini用ではサイズが異なるため、購入時には対応機種を必ず確認してください。
A1用サイズはは257mm×257mm、A1mini用サイズは184mm×184mmです。
PLAの小物は常温で安定して印刷できた
最初にPLAで小さな部品を印刷しました。
ベッドを高温にしなくても、1層目から安定して定着し、印刷途中で剥がれることはありませんでした。

【常温プレート上に印刷したPLAの小物】
小物は接地面積が小さいため、通常のプレートでは1層目の状態によって浮いたり、ノズルに引っ掛けられたりすることがあります。
今回の印刷ではそのような問題はなく、常温プレートの密着力の高さを実感できました。
印刷中の安心感という意味では、使いやすいプレートです。
特に、小さな模型部品をまとめて印刷するときには、途中で部品が外れるリスクを減らせそうです。
1層目を遅くしすぎるとPLAは強く密着した
PLAの小物を印刷した際は、普段使っている1層目をゆっくり印刷する設定を使用しました。
私は通常のプレートでも1層目を確実に定着させるため、初層速度を落として使うことがあります。
この設定を常温プレートでも使用したところ、印刷中の安定性は非常に高かった一方、印刷後はかなり剥がしにくくなりました。
常温プレートは、もともと加熱しなくても密着しやすい表面になっています。
そこへ低速でしっかり押し付ける設定を組み合わせたことで、必要以上に強く密着したと考えられます。
つまり、常温プレートでは、通常のプレートで行っていた密着対策がそのまま必要とは限りません。
最初はデフォルトに近い設定から試し、密着不足がある場合だけ設定を調整する方が扱いやすそうです。
お気づきの通り、普段から密着性を高める設定をデフォルトにしている方は注意した方がいいでしょう。
尚、一層目が安定しない場合は、プレートだけでなく、初層速度やライン幅、ベッド温度も確認する必要があります。通常のプレートで一層目が定着しない場合の設定は、以下の記事で詳しく整理しています。
Bambu Studio 一層目の直し方|密着しない・部分的に定着しない原因と設定変更(0.2mmノズル対応)
広い展示ベースの床面も反らずに印刷できた
次に、模型展示ベースとして設計した、接地面積の広い床面パーツをPLAで印刷しました。

【プレート上に印刷されたジオラマベースの壁面】
このような広いパーツは、印刷中に角が浮いたり、わずかに反ったりすると全体の仕上がりへ影響します。
模型やフィギュアの展示ベースでは、床面の平面が崩れると壁や追加パーツの組み合わせにも支障が出ます。
今回の印刷では、常温に近いベッド温度でも、床面の端まで安定して定着していました。
途中で浮きや剥がれが発生することもなく、最後まで問題なく印刷できています。
常温プレートの最大のメリットは、こうした広い造形物でもベッドを強く加熱せずに安定させられる点にあると感じました。
大きな造形物はプレートを曲げれば剥がせる程度に密着していた
ジオラマベースの壁面は接地面積が広いため、印刷後はかなり剥がしにくいのではないかと考えていました。
それこそいくら力を入れても剥がれないくらいに。
(小物で密着設定でプリントした時はかなり力を入れないとはがれないほど密着した)
しかし、A1からプレートを取り外し、軽く曲げると造形物の端から隙間ができました。
そのまま少しずつ曲げることで、べりべりと無理なく取り外せています。

【プレートから取り外したジオラマベースの壁面】
接地面積は広くても、大きな造形物はプレートを曲げた際に端部へ力を伝えやすくなります。
そのため、小さな部品よりも取り外せる場合があります。
印刷中はしっかり固定され、印刷後はプレートを曲げれば外せる。
この結果から、大きな模型用ベースに対しては、常温プレートはかなり使いやすいと感じました。
あくまでもデフォルト設定でプリントすることですね。小物で味わった密着度まで行くとスクレーバーが必要になるかも知れません!
PETGの小物も問題なく印刷できた
PETGについては、常温プレートに強く密着し、剥がしにくくなるという話もあります。
そこで、小さなリング状の部品をPETGで印刷しました。

【画像:常温プレート上に印刷したPETGの小物】
印刷中はPLAと同様に安定しており、途中で剥がれることはありませんでした。
PETGには糸引きが見られましたが、これはプレートの密着性とは別の問題です。
印刷後に部品を外してみると、今回の設定では特に苦労することなく取り外せました。
PETGだから必ず強固に貼り付くという結果にはなりませんでした。

Bambui Studioの設定を見ると1層目もその後の設定も0℃になってますよね。これはgenericでもBambuでも温度設定は同じです。
ただし、PETGでも1層目を低速化したり、強く押し付けたりすれば、PLAと同じように剥がれにくくなる可能性があります。
実際に使って感じたメリット
ベッドを強く加熱しなくても1層目が安定する
今回の印刷では、小物から広い床面パーツまで、印刷途中で剥がれることはありませんでした。
常温プレートという名前どおり、ベッドを高温にしなくても密着力を確保しやすい点は、普段使いで大きなメリットになります。
印刷開始までの待ち時間を抑えられる
ベッドを高温まで加熱する必要がないため、印刷開始までの待ち時間を短縮できます。
数時間の印刷では小さな差に思えますが、小物を何度も試作する場合は、この待ち時間の短さが使いやすさにつながります。
大きな模型用パーツとも相性がよい
ジオラマベースの床面は面積が広いパーツですが、端まで安定して印刷できました。
模型用の展示ベース、ジオラマの床、壁面など、反りを避けたい平面パーツには向いていると感じています。
印刷後はプレートを曲げて外せる
大きな造形物は、プレートを軽く曲げることで端から剥がせました。
密着力が高くても、必ずしも印刷物を外せないわけではありません。形状と設定が合えば、印刷中の安定性と取り外しやすさを両立できます。
私が使用した常温プレートは、YOOPAIコールドプレート(mini用)です。
様々なサードパーティメーカーから出ているので購入実績の多い商品から選んだ方がいいでしょう。
また、A1用とA1 mini用ではサイズが異なるため、購入時には対応機種を必ず確認してください。
A1用サイズはは257mm×257mm、A1mini用サイズは184mm×184mmです。
気になった点
1層目設定によっては剥がれにくくなる
常温プレートは、通常のプレートよりも密着力が高いと感じました。
そのため、1層目を遅くするなど、従来の密着対策をそのまま使うと、密着が強くなりすぎることがあります。
特に小物は、プレートを曲げても真下へ十分な力を加えにくいため、取り外しに苦労します。
小物と大物では剥がれ方が違う
接地面積が広い大物の方が剥がれにくいと思っていましたが、実際にはプレートを曲げやすい大物の方が簡単に取り外せました。
小物の場合は接地面積が小さくても、工具を差し込める場所が少なく、剥がしにくくなることがあります。
密着度を高める設定はかえって苦労する!
常温プレートは、密着不足を補うためのプレートではなく、もともと高い密着力を持っています。
通常プレート用に調整した設定を使うのではなく、まず標準設定で試す方が、常温プレート本来の使いやすさを確認できます。
常温プレートを使いやすくする設定の考え方
常温プレートを初めて使う場合は、最初から1層目速度や流量を細かく調整しない方がよいと思います。
まずはBambu Studioのデフォルトに近い設定で印刷し、浮きや剥がれが発生するかを確認します。
問題なく印刷できるなら、その設定を基準として使えます。
取り外しにくい場合は、1層目速度を上げる、過度な押し付けを避ける、ブリムを必要以上に広くしないといった調整が考えられます。
その場合は常温プレートを使用せず、普段使いのテクスチャープレートなどの使用を考えた方がいいでしょう。
反対に、造形物の角が浮く場合のみ、1層目を少し遅くするなど、必要な範囲で密着力を増やします。
常温プレートでは、最初から密着を最大化するより、必要十分な密着へ調整する方が扱いやすくなります。
常温プレートはどんな人に向いているか
常温プレートは、あんまり設定を触りたくない方、設定自体がよく分からない方、
設定を変えることに抵抗を覚える方には角の浮きや剥がれを抑えるのに有効な手段です。
また、模型用の展示ベースやジオラマ床面のように、広く平らなパーツを安定して印刷したい人にも使いやすいプレートです。
一方で、非常に小さな部品を低速の1層目設定で印刷している人は、最初に設定を見直す必要があります。
強く密着させればよいという考え方ではなく、剥がしやすさも含めて設定することが大切です。
まとめ
Bambu Labの常温プレートをPLAとPETGで使ってみたところ、ベッドを高温にしなくても1層目は安定し、小物から広い模型用パーツまで問題なく印刷できました。
特にジオラマベースの壁面では、広い範囲が最後まで浮かずに印刷でき、印刷後はプレートを曲げることで無理なく取り外せています。
常温で使える利便性と、印刷中の安定性を両立した使いやすいプレートだと感じました。
一方、PLAの小物を1層目低速設定で印刷すると、密着力が強くなりすぎて剥がしにくくなりました。
普段から密着設定を基本にしている方は、常温プレートでは、密着対策をそのまま使うのではなく、デフォルトに近い設定から始める方がよさそうです。
PETGの小物も、今回の条件では問題なく取り外せました。
剥がれやすさはPLAかPETGかだけでは決まらず、1層目設定や造形物の大きさ、形状によって変わります。
常温プレートは「剥がれにくいプレート」ではなく、常温でも安定した印刷ができ、デフォルト設定では取り外しやすさも確保できるプレートとして評価できそうです。
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