
Destroyer Yukikaze build log, this article focuses on hull segmentation and internal reinforcement optimized for 3D printing.
本章で扱う「船体分割」の意味
第2章-5までで、船体のシェル化および甲板の分離はすでに完了しました。
本章で扱う「船体分割」は、
3Dプリンターの造形サイズに合わせて船体を切断する
のはするのですが単純な意味合いだけではありません。
実際の設計では、
- 船体をどこで分割するか
- 分割した船体をどうやって正確に再接続するか
- 接着後に十分な強度と剛性を確保できるか
といった点が、RC艦として成立させる上で重要になる。
本艦では、船体を前後・中央で分割したうえで、
分割面そのものを構造体として設計する方式を採用している。

分離した甲板とシェル化した船体
3Dプリンターを前提とした船体分割位置の考え方
船体の分割位置は、単に長さだけで決めているわけではありません。
本モデルでは、以下の点を基準に分割位置を設定しています。
- 造形時に反りや歪みが出にくい形状であること
- 分割面が極端な曲面にならないこと
- 内部に補強構造(リブ)を配置できる断面であること
特にRC艦では、内部に
モーター、シャフト、バッテリー、受信機といった機構部品を搭載するため、
内部スペースの連続性も考慮する必要があります。
このため、本艦では
内部構造を成立させやすい位置で分割し、
分割面に接続用リブを設ける設計としています。

縦線が船体を分割した個所。Banbu lub A1の最大サイズが255mmなので最大サイズも255mm。中央後の不自然な長さはここにビルジキールが丁度はまる。
分割面を構造体にする「接続用リブ」の設計
分割した船体を再接続する際、
単純に接着するだけでは位置ズレや強度不足が発生しやすい。
そこで本モデルでは、
**分割面の内側に接続用リブ(内部補強構造)**を一体で設計している。
接続用リブには、以下の役割を持たせている。
- 前後パーツの位置決め(ズレ防止)
- 接着面積の増加による強度確保
- 船体内部の剛性向上
リブは船体内側に段差状に配置し、
前後のパーツが噛み合うように差し込まれる構造としている。

船体の中央部分をけしたもの。船体を組み合わせるときにリブをかみ合わせて接続する。
ただくっつけるんじゃなくて、”はまる構造”にしているんだね!
そうなんだよ。これだと接着するときにずれも少ないし強度も保てそうだろう!
あ!下の画像は中央のボディをけして接続リブを分かりやすくしたものだね!

内部補強を兼ねた船体構造のメリット
接続用リブを設けることで、
船体分割には次のようなメリットが生まれる。
- 接着時の作業性が向上する
- 船体全体の剛性が高まる
- 内部機構搭載時の歪みやねじれを抑えられる
特に1/150スケールのRC艦では、
船体内部に余裕がないため、
構造そのものが補強を兼ねる設計が重要になる。
この方式により、
後工程で行う内部機構の配置や固定も安定しやすくなる。
次章へのつながり
ここまでで、
3Dプリンターで出力した船体を、
強度と精度を保ったまま再構成するための構造設計が整いました。
次章では、
この内部構造を前提として、
- 艦首甲板上の設備など
- 船体中央のビルジキール
- 船体横の窓枠
- 船体横の溶接痕
といった、船体をいろどる設備などの準備を進めていきます。
船体の出来上がりまであと一歩だね
その一歩が結構遠いんだけどね

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