駆逐艦雪風 |第2章-8 Fusion 360でビルジキールを作る 平面スケッチ→ボディ→回転

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Bilge keels can be modeled in several ways in Fusion 360, and choosing a stable method makes printing more reliable.

この記事のポイント

  • 雪風は「平面で成立→回転で位置決め→前後をカット」が早くて破綻しにくい
  • Sweep/Surface/Loftも可能だけど、編集耐性とプリント都合で使い分け
  • 船体側ラインを“緩い曲線”にしておくと、別パーツ化の保険になる
Museum-scale model of battleship Yamato highlighting the bilge keel location along the lower hull (marked with an arrow).

1. ビルジキールは「形状」だけじゃなく「作りやすさ」も設計する

ビルジキールは横揺れを抑えるための突起ですが、模型では実艦の効果そのものより 形状再現情報量 が目的になります。
そして3Dプリント前提では、見た目だけでなく「印刷の安定」と「後から修正できる設計」まで含めて作り方を選ぶのが大事です(この考え方は艦船模型以外のフィン形状パーツにも応用できます)。


2. Fusion 360での作り方(代表4パターン)

印刷時の安定性、後工程でのしやすさを考慮に入れる必要があります

A)平面で作って回転して置く(今回:雪風方式)

アイキャッチ画像がそのデーターです。

  • まず平面でビルジキールの形を“板”として成立させる
  • 軸を作って回転(Move/Copyの回転)で角度を決める
  • 前後の長さはカット面(構築平面)で確定

メリット:壊れにくい/修正が速い/設計が迷子にならない
注意:曲面に“完全追従”させたい場合は別方式が向く

WordPress editor screen showing a Fusion 360 side view with the bilge keel highlighted in blue along the lower hull of destroyer Yukikaze.

B)Sweep(パスに沿って伸ばす)

  • 船体表面に沿うパスを作り、断面スケッチを作ったあとSweepする
    メリット:追従性が高い
    注意:パスや向きの管理をミスるとねじれやすい

C)Surface貼り付け(Split → Offset/Thicken)

  • 船体面をSplitし、オフセットして厚み化
    メリット:貼り付きが最も自然
    注意:面構成が複雑だと編集で崩れやすい

D)Loft(複数断面でつなぐ)

  • 前後で断面を変えたいときに便利
    船体を作った方法と同じ。面倒。
    注意:管理が増えるので必要なときだけ

3. 雪風方式の手順:平面→ボディ化→軸回転→前後カット

雪風では以下の手順で作りました。

3-1. 平面スケッチで形状を描いて、ボディ化する

  1. 船体に接触するあたりの水平面にオフセット平面を作りスケッチ
  2. 押し出し(Extrude)してソリッド化

※この段階では、船体に合わせようとしすぎない。まず「板」として成立させます。

3-2. 回転の基準軸を作る

回転の中心になる 軸を作ります。
軸は中心線にあわせて、又はビルジキールの両端を結んだ線
構築>2点を結んだ線でもいいかと。

3-3. Move/Copyの回転で角度を合わせる

  1. ボディ(またはコンポーネント)を選択
  2. 修正→Move/Copy → 回転(Rotate)
  3. 軸指定 → 狙った角度に回す
  4. 船体との干渉を見ながら微調整

3-4. 準備:前後位置を決める(ボディをカットしていない場合)

  1. ビルジキールの 前端後端 の位置を決める
  2. その位置に 構築平面を2枚 用意する(後でカット面にする)

先に「どこからどこまで」を決めておくと、あとで長さがブレません。

3-5. 前後を構築平面でカットして長さ確定

すでに前の記事でボディをカットしているので今回はこの4と5は不要。

  1. Split Body(または面/ボディの分割)
  2. 先端は面取り/フィレットで薄く逃がすと欠けにくく、見た目も自然

Side view of a scale model of destroyer Yukikaze, with an arrow pointing to the bilge keel location along the lower hull.

4. 補足:船体側ラインは“緩い曲線”にしておくと保険になる

今回、ビルジキールの船体側は 直線 ベースで設計しました。これは作図も編集もラクで、安定した作り方です。

ただし、船体側ラインを 緩い曲線 にしてボディ化しておくと、万が一あとでビルジキールを別パーツ化したくなった場合に、そこを切り出せば 接着面(当たり)を作りやすい という保険になります。
「一体成形でもいける」設計をしつつ、同時に「分割にも逃げられる」形にしておくと、トラブル時のダメージが小さくなります(他の模型ジャンルでも同じ発想が使えます)。


5. 浜風で別パーツ化した理由:0.2mmノズルの“得意/不得意”

ちょいちょい出てきますが、浜風は雪風のあとに製造工程を見直して模型用として再度作った陽炎型です。

浜風では舷側ディテール(溶接痕/リベット痕の表現)を狙って 0.2mmノズル でプリントしました。
ディテール表現には強い一方で、ビルジキールのような 細く長いフィン は、接着面が弱いと途中で崩れやすくなる場合があります。
このときは「舷側ディテール優先」だったので、ビルジキールは結果的に 別パーツ化 にしました。


上ではいくつか方法を書いてるけど結局どれがいいの?

おっちゃん的には1の方法がよかったと思ってる。浜風ではBの方法を試したけど雪風の方が綺麗にできたしね

サーフェスの慣れによってはCの方法もあるかもだね!


まとめ

雪風のビルジキールは「平面で形を成立 → 軸回転で位置決め → 前後をカット」で、設計の破綻が少なく、修正も速い方法でした。
さらに船体側ラインを緩い曲線にしておけば、別パーツ化の逃げ道も作れます。
この設計判断は艦船模型に限らず、他ジャンルの細長いフィン形状にも置き換え可能です。

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