3Dプリントで艦船模型を中心とした模型の新しい創作に挑戦するスタジオです


駆逐艦雪風 | 第4章-1:ラジコン化の全体像と防水加工(艶ありクリア塗装)

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1/150 IJN destroyer Yukikaze RC hull after glossy clear coat application, showing a smooth water-resistant finish around the stern and propeller shafts

This chapter explains waterproofing for RC conversion of a 1/150 Yukikaze hull.
3Dプリンターで作った船体はそのままでは驚くほど防水性はありません。特に積層部分からの浸水が激しく、防水処理をする必要があります。

  • ラジコン化で特有なのは「防水加工」と「メカ組み込み」の2点です。
  • 本記事は防水加工に絞り、やることを最短で整理します。
  • 防水の要は「外装塗膜(ラッカー+艶ありクリア)」と「舵・スタンチューブ周り」です。

1. ラジコン化の全体の流れ(4章の入口)

模型として完成させるだけなら“見た目”がゴールですが、ラジコン化では 水に浮かべて動かすため、別の論点が増えます。
ラジコン化で特有の事項は大きく次の2つです。

  1. 防水加工(塗装、舵部分、スクリューのスタンチューブ周り)
  2. メカの組み込み(モーター、シャフト、サーボ、受信機、バッテリー、配線の取り回し)

この記事では 1. 防水加工に絞って書きます。画像は適宜差し込みます。


2. 防水加工で「守る場所」は3つだけ

冒頭でも書きましたが、3Dプリンター(FDM)で作った船体には防水性はありません。
しかし、船体全体を完全密閉するのは現実的ではありません。
重要なのは “浸水しやすい場所”に適切な対策をうつことです。

2-1. 舵(ラダー)周り

  • 舵軸が通る部分は、構造上どうしても水が入りやすい
  • ここは「通過部の処理」と「水の逃げ(たまらない)」を意識する

2-2. スクリューのスタンチューブ周り

  • シャフトが貫通するため、浸水ポイントになりやすい
  • “ここから入る”前提で、周囲を確実に固める

2-3. 船体表面(外装塗膜=防水の主役)

  • 意外と大事なのが、船体全体の“塗膜”で防水バリアを作ること
  • 特に今回は ラッカー塗装+つやありクリアが防水の要になります(後述)

▶ 艶消しではなくて艶ありです。艶消しには防水能力はないと思った方がいいです。


3. 船体の防水加工(内側と外側の役割を分ける)

防水は「内側で止める」「外側で守る」を分けると整理しやすいです。

3-1. 内側:エポキシ樹脂で“しみ込み”を止める

船体の内側は、まずエポキシ樹脂で固めておくと安心です。
目的は「水が素材にしみ込む経路を消す」こと。

  • 船体内側に2液混合のエポキシ接着剤を塗布
  • 角や継ぎ目、気泡が出やすい場所を重点的に
  • ラジコン運用では“見えない側”ほど重要

綺麗な写真でなくて申し訳ありません。つなぎ目に厚盛したエポキシ接着剤ですが、船体の水につかる全体に塗布します。

安価なので私はセメダインハイスーパー30を多用しています。接着剤としても強力ですが、硬化に30分以上かかります。

3-2. 外側:ポリパテ→整形→サフ→研磨(ここは模型と共通)

外側は見た目にも直結するので、いつもの模型工程に近い流れです。

  • ポリパテで成形
  • やすり掛け
  • サフ
  • やすり(仕上げ)

これを何回か繰り返します。

私は使い慣れているタミヤさんのポリパテを使用しています。

こちらは何回目か。ポリパテ→#320くらいの粗いやすり、サフ、くぼんだところをポリパテ→乾燥してやすり→サフで滑らかになるまで
つづけます。ここで心が折れそうになります。

ここまでは「ラジコン特有」というより、3Dプリンターで模型をつくる際の仕上げの基本工程です。


4. 防水の要点:ラッカー塗装+つやありクリアで“防水層”を作る

ラジコン化の防水で、私が一番重要だと思っているのはここです。
ラッカー塗装と、つやありクリアで防水を作っている——これを意識すると仕上げが変わります。

4-1. 外装の塗装フロー(防水を意識した順番)

  • ラッカー塗装(あれば艶あり)
  • つやありクリア(防水層)×2-3回(これが防水層になります)
  • つやなしクリア(最終の質感)

ポイントは、つやなしクリアではなく、つやありクリア側で水を弾く層を作ることです。
つやなしは“見た目の調整”であって、主防水はつやありが担当、という役割分担になります。

この1/150の様に大きいとエアーブラシではやってられないのでスプレーをしようしました。
水性トップコートではなく、ラッカー系艶ありクリアの方が防水性は高いといわれています。

ラッカー塗料をスプレーしたもの。外は雨の日にスプレーした為湿度の影響を受け白化現象が起こってしまっています。
後に再度塗装しなおしました。

再塗装後、表面がなだらかに綺麗に塗装ができた。この後、つやありのクリアを3回ほど重ね塗りする

艦尾の写真。つやありクリアをスプレーした後。見事に光沢感が出ている。

艶ありで防水処理の後、艶消し又は半艶消しで仕上げをします。(お好みで)

4-2. “水が当たる場所”は少し丁寧に

  • 舷側下部、艦尾周り、スタンチューブ周辺は水が当たりやすい
  • 塗膜の薄い部分があると、そこから痛みやすい
  • 「厚塗り」ではなく「ムラを作らない」を意識

5. ここまでが防水編。次はメカ組み込みへ

この記事では防水加工に絞って、必要なポイントだけを整理しました。
次回は メカの組み込み(動力・操舵・電装)に進みます。
スタンチューブや舵でも防水をしなければならない箇所ですが、メカの組み込みと合わせて説明します。


艶あり塗料に防水性がある理由

どうして、同じ塗料なのに艶ありには防水効果があって、艶消しにはないの?

下の図を見てほしい。なんとなく分かるかな?

Diagram showing why glossy clear coat improves waterproofing while matte clear coat is less effective, comparing smooth sealing film vs rough porous surface and water beading vs seepage

そっか、艶消しってことは表面が荒れてるから水の入る隙間があるんだ

おっ!察しがいいね。1度塗りだと表面にむらが出ることがあるし、傷がつけばそこから浸水するから2度塗り、3度塗りをすることで防水効果は高まるんだね。ラッカー系の方が効果が高いよ

うん!よく分かったよ!

まとめ

  • ラジコン化で特有なのは「防水加工」と「メカ組み込み」の2点。今回は防水に絞りました。
  • 防水の重点は「舵」「スタンチューブ」「外装塗膜」の3箇所です。
  • 外装は ラッカー塗装+つやありクリアで防水層を作り、つやなしは質感調整として使います。

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