
A stand designed to display a pocket watch as a centerpiece inspired by a night sea through a porthole.
こちらの記事では3Dプリンターで「戦艦長門 懐中時計台」についてその企画の考え方から設計意図まで解説をしています。
- 懐中時計を飾りたい!
- 戦艦長門(戦艦大和、護衛艦かが)懐中時計に最適化した設計
- 3Dプリンターによる個別最適化
また、懐中時計台に興味のない方にとっても3Dプリンターでものを作るときの考え方の参考になると思います。
■懐中時計を飾りたい!
懐中時計は本来、鞄かポケットに収めて持ち歩く道具。
ただ、私の場合、使わないときには鞄に入れっぱなしか、机に置きっぱなしになっていました。
ただ、机に置くのはもったいない。
私が持っている懐中時計は「梶本時計店」で購入した戦艦長門が月明かりの海に浮かんでいるシーンです。
このシーンは
「戦艦長門がクロスロード作戦で原爆実験にあう前日の月夜の海に浮かぶシーンがモチーフ」
だと3代目梶本店主がおっしゃってた覚えがあります。
※あってました当時の中国新聞の記事がこちら
そのエモーショナルなシーンを思い浮かべる上でぴったりな時計台を3Dプリンターで作ってみよう!
ってのが今回の発想の起点です。

こちらの懐中時計台は梶本時計店で少量販売しています。
※瑞雲時計台は最終調整中です。
今のところおかげ様でお持ちした日に完売したとお聞きしています。
また、こちらのBOOTHでも販売しております。
手作業で少量ずつの生産なので少々お時間をいただいております。
■Moonlit Seaというネーミングの意味

<時計台 Moonlit Sea & 懐中時計戦艦長門>
この時計台は、単なるスタンドではありません。
舷窓から夜の海に浮かぶ戦艦長門を望んでいる情景をイメージして設計しています。
懐中時計を中央に配置したとき、それが単なる時計ではなく、一隻の船のように見えることを意図しています。
■なぜこの形になったのか
今回の時計台は、完全な自由造形ではありません。
当初はこれも梶本時計店で予約受付中(2026年5月現在)にぴったりくる「瑞雲時計台」(試作中)を考えており、そのデザイン・企画意図などを梶本時計店でお話をしていたところにいらっしゃったお客さんから「懐中時計にも台が欲しい」
という声でなら一部変更で済みそうだし作ってみようかと始まりました。
「瑞雲時計台」のデザインは操縦席をイメージしいましたが、懐中時計はそれではシーンが異なるので別の発想が必要だと考えました。
実は私は個人で楽しむ為にすでにいくつか舷窓イメージのものを3Dプリンターで作ったことがあり、(ニッチ過ぎてBOOTHにも載せてませんが)だったら舷窓から船を望むシーンが最適だと考えたのです。
さて、試行錯誤の結果、ある程度固まりました。
しかし、戦艦長門だけならこのデザインでいいのですが、
梶本時計店には他に戦艦大和と護衛艦かがの懐中時計があるのを知っています。
そこで設計にあたっては、梶本時計店様のご協力のもと、同店で取り扱われている軍艦モチーフの懐中時計である
- 大和
- 長門
- かが

戦艦大和 懐中時計
これらを実際にはめて確認しながら進めました。
梶本3代目店主から聞いたところ、時計本体のサイズや厚みが共通の規格で作られているという点でした。
この共通性があったことで、1つの設計で複数モデルに対応できる時計台という方向性が見えてきました。
■違いへの対応

護衛艦かが 懐中時計
一方で、もちろんすべてが同一というわけではありません。
まず、3種の懐中時計でデザインが違います。
これについては「舷窓から望む」シーンは3種ともにイメージのあうと思っています。
舷窓から望む船が長門でも大和でも幻想的な風景です。
かがも窓の外に見える光景としては美しいと思います。
接合部金具の形状の違い
チェーン接続部の金具については、特に長門モデルで途中から形状変更があったようです。
※これは梶本さんと一緒に見ていた時に途中で変わっているのに気が付きました。
正直これは少し驚きました。もう完成した気になっていたんで。
長門にぴったりと合わせて作ったので、大和とかがには若干狭くきつい。
しかも同じ長門でも上記のように途中で変わったようです。
確かに私のシリアルNoは5/225です。初期ロットのみの金具だったようです。
この違いについては構造そのものを変えるのではなく、引っ掛け部分の幅を調整することで対応しています。
その結果、大和・長門・かがの3モデルすべてに対応できる形にまとめることができました。
■見え方の設計

<戦艦長門(大和・護衛艦かが)懐中時計台>
この時計台で重視したのは見え方です。
正面から見たときの傾け方、バランス、円としての印象、チェーンの収まり方などを調整することで、時計が単に置かれている状態ではなく、意図して見せる対象になるようにしています。
懐中時計台の機能面
第一に大切な懐中時計に傷が使いない配慮が必要です。
前方の黒い円形はTPUという素材で軟質のゴム様の素材にしており、これなら大丈夫。
また、ネームプレートは
- 戦艦長門
- 戦艦大和
- 護衛艦かが
の3種類を用意しどの懐中時計でも交換可能です。

さらに背面には鎖を収納できるスペースを作りそこにもTPUのシートを作って接着しています。
ここには3Dプリント時にサポートが立つので綺麗に取るのが結構大変です。
もう一点、時計台の下にもTPU製の足を4つつけており、PLAそのものより滑りにくくしています。
しかし、つるつるの机では滑るので注意してください。
この懐中時計台はこちらのBOOTHでも販売しております。
手作業で少量ずつの生産なので少々お時間をいただいております。
■自分に合わせて作るということ
既製品のスタンドは、多くの人に合うように設計されています。
その分、特定のものに対して最適化されているとは限りません。
今回の時計台は、この懐中時計に合わせて設計したものです。
3Dプリンターは、こうした個別の条件に合わせた形をそのまま作ることができる道具だと考えています。
既製品を探すのではなく、自分が望む形をそのまま形にする。その一例がこの時計台です。
■まとめ
私は戦艦長門の懐中時計、家に置いている時、自分はただ置くのではなく、形として見せておきたいと考えました。
月に照らされた海に静かに浮かぶ無人の戦艦長門…。ロマンじゃないですか!
そのために設計したのが、この「Moonlit Sea」です。
手に取っていただいた方は満足していただければ幸いです。
◆最後に
今回の戦艦長門(大和・かが)時計台を作るにあたって、呉市の「梶本時計店」の3代目梶本店主様には多大のご助言・ご協力をいただきました。
梶本時計店@呉の時計・宝石・修理の専門店 @Kajimoto904
梶本時計店のXはこちら
住所:広島県呉市中通2丁目3-18 地図のリンクはこちら
呉の街に行く楽しみをしるきっかけを作って下さるばかりかいろいろとおいしいお食事どころを教えていただいております。
この場を借りて感謝いたします。

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