
This article explains how to identify the causes when Fusion 360 feels slow, focusing on design complexity, usage patterns, and PC environment.
Fusion360を使い始めてしばらくすると、「以前より重くなった」「操作に引っかかりを感じる」と思う瞬間が出てきます。
このとき多くの方が、「壊れたのでは?」「設定がおかしいのでは?」と不安になりますが、実際には原因はいくつかのパターンに分けて考えることができます。
本記事では、Fusion360が重いと感じたときに、どこから疑えばよいのかを整理し、特に設計内容との関係に焦点を当てて解説します。
最初から重かった場合(導入直後から)
Fusion360をインストールしてすぐの段階で、簡単なスケッチや操作でも動作が重いと感じる場合、設計内容よりもパソコン環境そのものが影響している可能性が高くなります。
この段階では、Fusion360自体が不安定というより、PC性能が用途に対して不足しているケースがほとんどです。
確認したいポイント
- 使用しているPCが最低動作要件ギリギリではないか
- メモリ容量が16GB未満ではないか
- ストレージがSSDではなくHDDではないか
この点については、PC環境そのものを扱った別記事で詳しく解説していますので、そちらを参照してください。
最近になって急に重くなった場合
以前は問題なく使えていたのに、ある時期から急に動作が重くなった場合は、Fusion360以外の要因を一度疑う必要があります。
設計内容に大きな変化がないにもかかわらず重くなった場合、Fusion360は「結果的に影響を受けているだけ」というケースも少なくありません。
切り分けのためのチェック項目
- OSアップデート直後ではないか
- 常駐アプリやバックグラウンドソフトが増えていないか
- セキュリティソフトやドライバ構成が変わっていないか
これらの項目については、OSやPC環境の専門的な領域になるため、本記事では深入りしません。
該当する場合は、PC環境側の情報を確認することをおすすめします。

Fusion360が原因で重くなった場合
ここからが本記事の中心です。
Fusion360の動作が重くなる原因として、設計内容そのものが変化しているケースは非常に多く見られます。
設計が複雑になって重くなった場合
設計を進めるにつれて、次のような変化が起きていませんか。
- フィーチャー数が増えている
- 履歴が長くなっている
- ロフトやミラー、参照関係を多用している
この状態で動作が重くなるのは、異常ではありません。
むしろ、設計が進み、扱っているモデルが複雑になった結果です。
Fusion360は履歴ベースで再計算を行うため、設計が高度になるほどCPUへの負荷が増加します。
確認したいポイント
- フィーチャー履歴が極端に長くなっていないか
- 使い終わったスケッチが大量に残っていないか
- コンポーネントを分けずに一体で設計していないか
「重くなった=壊れた」ではなく、「設計段階が進んだ結果」と考えることが重要です。
設定や使い方によって重くなっている場合
設計内容自体はそれほど複雑ではないのに、表示操作や回転で引っかかる場合は、Fusion360内の設定や作業の進め方が影響している可能性があります。
確認したいポイント
- 常に全体モデルを表示したまま作業していないか
- 参照データや表示要素が多すぎないか
- 表示設定が必要以上に高負荷になっていないか
これらは設計の正しさとは別に、作業効率の問題として現れやすい部分です。
Fusion360以外の環境要因
最後に、Fusion360そのものとは直接関係しないものの、体感速度に影響する要因を挙げておきます。
- ストレージ残量不足
- 発熱による性能低下
- ドライバや周辺機器の影響
- マルチモニタ環境による負荷
これらについては専門分野が異なるため、本記事では列挙に留めます。
まとめ
Fusion360が重いと感じたとき、すぐに「壊れた」「設定がおかしい」と考える必要はありません。
多くの場合は、設計内容が変化したことによる自然な結果か、環境要因による影響です。
重要なのは、原因を一つずつ切り分けて考えることです。
最期にこの記事の内容をチェックシート形式でまとめますね。

【チェックシート】Fusion360が重いと感じたときの確認リスト
まずは「いつから重いか」を切り分けます。該当するものにチェックしてください。
1) 状況の切り分け(最初にここ)
- ☐ インストール直後から重い(最初から)
- ☐ 最近になって急に重くなった(途中から)
- ☐ 設計が進むほど重くなった(設計の成長と連動)
2) 最初から重い場合に確認したいこと(PC環境)
- ☐ メモリは16GB以上ある(できれば32GB)
- ☐ ストレージはSSDを使用している
- ☐ 同時に多くのアプリを起動していない(ブラウザのタブ含む)
※この項目で複数当てはまる場合、PC環境がボトルネックになっている可能性があります。
3) 最近急に重くなった場合に確認したいこと(Fusion360以外の要因)
- ☐ OSアップデートやドライバ更新の直後ではない
- ☐ 常駐アプリやバックグラウンド処理が増えていない
- ☐ セキュリティソフトの設定や挙動が変わっていない
※ここで当てはまる場合は、Fusion360以外の要因を切り分けるのが先です。
4) 設計が進むほど重い場合に確認したいこと(本題:設計内容との関係)
- ☐ フィーチャー履歴が極端に長くなっていない
- ☐ 使い終わったスケッチが大量に残っていない
- ☐ 参照関係(投影・拘束・参照面など)が増えすぎていない
- ☐ コンポーネントを分けずに、1つの塊で作り続けていない
※このパターンは「故障」ではなく、設計が本格化した結果として自然に起こることが多いです。
5) 設定・作業の進め方で重くなっている可能性
- ☐ 常に全体モデルを表示したまま細部作業をしていない
- ☐ 不要なボディやコンポーネントを表示したままにしていない
- ☐ 表示の引っかかりが、モデルの複雑さに対して不自然に大きくない
6) Fusion360以外の環境要因(切り分け用)
- ☐ ストレージ残量不足になっていない
- ☐ 発熱で性能が落ちていない(長時間作業で特に注意)
- ☐ 周辺機器・マルチモニタ環境の影響が出ていない
※ここはPC環境の専門領域になるため、本記事では列挙に留めます。
チェック後の判断(簡易ガイド)
- 「最初から重い」→ PC環境(メモリ・SSD・CPU)側の見直しを優先
- 「最近急に重い」→ OS・常駐・環境要因の切り分けが先
- 「設計が進むほど重い」→ 設計内容(履歴・参照・構成)を見直すのが本題
次の記事では、Fusion360でCPU性能が重要になる理由を、設計作業の観点から整理します。
「どの性能を優先してPCを選ぶべきか」を迷っている方は、あわせて参考にしてください。
Fusion360に関するお役立ち記事をこれからも増やしていきます。

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