
A simple water surface plate made with transparent PETG and a textured build plate.
この記事でわかること
- 透明PETGで海面シート風のプレートを作る方法
- テクスチャープレートの模様を波の表現に使う考え方
- Bambu Studioで設定しておきたいポイント
- 艦船模型ベースとして使うときの見せ方
- 透明PETGを海面プレート以外に使うアイデア
まずは結論
この記事では3Dプリンターで簡単に海面シート(水面シート)を作る方法を紹介します!
透明PETGをテクスチャープレートで印刷すると、プレートに接していた面に細かい模様が転写されます。この面を上にして使うと、思った以上に海面シートっぽく見えました。
作り方はとても簡単です。展示ケースに合わせたサイズの薄い板を作って、透明PETGで印刷するだけです。複雑な波のモデリングはしていませんが、テクスチャープレートの模様が光を拾って、水面らしい表情になります。
印刷するときのポイントは、上面シェル層と下面シェル層を少し多めにすることです。0.2mm積層なら、上面・下面ともに5〜7層くらいを目安にすると、インフィルの模様が目立ちにくくなります。
市販の水面シートや「なみいたくん」を使うのも、もちろん良い方法です。今回の方法は、3Dプリンターで自分の展示ケースに合うサイズの海面プレートを作れるところが面白いと感じました。
透明PETGで海面シートを作ってみた
艦船模型を飾るとき、下に海面があるだけで雰囲気がかなり変わります。台座の上にそのまま置くのも悪くありませんが、艦船はやっぱり海の上にいる姿が似合います。
今回は、Bambu Labの3Dプリンターで透明PETGを使い、海面シート風のプレートを作ってみました。使ったのは透明PETGとテクスチャープレートです。作ったものは基本的に薄い板ですが、印刷後に見てみると、プレートに接していた面の模様が波のように見えました。
これは思った以上に良かったです。特別な波形状を作ったわけではなく、テクスチャープレートの表面模様をそのまま利用しただけです。それでも艦船模型の下に敷くと、海面ベースとして十分使えそうな見た目になりました。
こちらの画像は印刷した直後の状態です。表面(TOP面)はジャイロイドでプリントしています。

【写真:透明PETGで印刷した海面プレート単体】
テクスチャープレートの模様を波として使う
今回のポイントは、テクスチャープレートの模様です。Bambu Labのテクスチャープレートで印刷すると、印刷物の底面に細かい凹凸模様が転写されます。
普段は「一層目がきれいに仕上がる面」として見る部分ですが、透明PETGで薄い板を作ると、この模様が光を拾って水面のように見えます。印刷後は、ビルドプレートに接していた面を上にして使います。つまり、印刷時の底面が、完成後の海面になります。
本格的な荒波や艦首波までは表現できません。ただ、静かな海面や展示ケース内のベースとしてはかなり使いやすいです。斜めから光が当たると表面の模様が反射して、ただの透明板よりもずっと表情が出ます。
作り方は薄い板を印刷するだけ
作り方はかなり単純です。Fusion 360などで、展示ケースに合わせたサイズの薄い長方形プレートを作ります。複雑な形状は必要ありません。最初はただの板で十分です。
サイズは、使いたい展示ケースや模型に合わせます。たとえばWAVEのケースに入れるなら、その内寸に合わせて少し余裕を持たせたサイズにします。市販の水面シートをカットして使う方法もありますが、最初からケースに合わせたサイズで出せるのは3Dプリンターらしい便利さです。
厚みは、まずは1.2〜2.0mmくらいから試すのが良いと思います。小さめのプレートなら1.2mm前後でも使えます。少し大きめに作る場合は、反りや扱いやすさを考えて1.6〜2.0mmくらいにした方が安心です。
形ができたら、透明PETGで印刷します。印刷後は、テクスチャープレートに接していた面を上にして、艦船模型の下に敷きます。

【写真:Bambu Studio上の薄い板モデル】
ひっくり返してテクスチャー面を上にしたものです。テクスチャー面が波のような乱反射になっています。
Bambu Studioでの設定目安
透明PETGで海面プレートを作る場合、インフィルの模様が見え方に影響します。完全な透明にはなりませんが、できるだけ板としてきれいに見せたいので、上面と下面のシェル層を多めに取る方向が良さそうです。
| 項目 | 設定目安 |
|---|---|
| ノズル | 0.4mm |
| レイヤー高さ | 0.2mm |
| プレート厚み | 1.2〜2.0mm |
| 下面シェル層 | 5〜7層 |
| 上面シェル層 | 5〜7層 |
| インフィル | 0〜15%程度 |
| インフィルパターン | ライン、ジャイロイドなど |
| ブリム | 大きめのプレートでは使用 |
| プレート | テクスチャープレート |
0.2mm積層で1.2mm厚の板を作る場合、全体で約6層です。そのため、下面シェル層と上面シェル層を多めにすると、実質的にソリッドに近い板になります。海面シートとして使うなら、このくらいの方がインフィル模様が目立ちにくく、見た目も安定します。
1.6〜2.0mmくらいの厚みにする場合も、上面・下面ともに5〜7層くらいを目安にすると扱いやすいと思います。インフィルは高くしすぎる必要はありません。透明PETGの場合、内部構造が見えやすいので、インフィルを見せたいのか、できるだけ隠したいのかで調整します。
大きめのプレートを印刷する場合は、反り対策としてブリムを使う方が安心です。PETGは薄い板で端が浮くことがあるので、サイズが大きくなるほど注意が必要です。
薄い板の反り対策については、以前書いたブリムの記事も参考になります。
尚、プリント時に反りが出る場合はこちらを参考に対処してください。
【Bambu Studioで反り対策|ブリム・冷却・ベッド温度・設計で端の浮きを止める(50〜60%調整の考え方)】

WAVEのディスプレイケース(L)の底面に先ほどプリントした海面シートをおいてみました。
LサイズになるとBambu Lab A1でも1枚でプリントできない長さです。
Mサイズ以下だと何とかぎりぎりプリントできるサイズになります。

実際に艦船模型を置いてみる
実際に艦船模型を置いてみると、下に海面があるだけで雰囲気がかなり変わります。プレート単体ではただの透明な板に見えても、船を置くと印象が変わります。
艦船模型は海の上にあるものなので、下に水面の表情があるだけで自然に見えます。今回のプレートは、走行中の激しい波を表現するものではありません。どちらかというと、静かな海面や展示用のベースに向いています。
ウォーターラインの艦船模型、小型艦、ケース内展示にはかなり使いやすいと思います。下に青系や濃紺の紙を敷くと、さらに海面らしく見えます。黒っぽい下地にすると少し深い海のように見えますし、明るい青なら展示映えする雰囲気になります。
写真で撮るときは、少し斜めから光を当てると表面のテクスチャーが見えやすくなります。真正面から見るよりも、斜め上から撮った方が水面らしさが出やすいです。
市販の水面シートとの使い分け

※こちらは、「秋月3世代」と評して、ヨドバシカメラ新宿店でフジミ賞をいただいたものです。なみいたくんを使用しています。
水面表現には、自作の方法はネットを調べれば何通りも出てきますし、市販の水面シートを使う方法もあります。昔からある「なみいたくん」のような素材もありますし、最近はジオラマ用の水面シートもいろいろあります。それらを使うのも良い方法です。
実際なみいたくんは以前私もよく使っていました。安いですし。
今回の方法は、それとは少し違って、3Dプリンターでサイズを決めて作れるのが良いところです。展示ケースに合わせた寸法で作れるので、カットの手間がありません。必要なら、艦船を固定する穴や、台座用の穴を最初から入れることもできます。
なにより、3Dプリンターを使ってみたかったってのが本音です。
まずは単純な海面シートとして使って、上に船を置くだけでも十分です。そこから作り込みたい場合は、あとで艦首波や白波を追加していくこともできます。最初は薄い板だけで使えて、必要に応じて発展させられるのが面白いところです。

透明PETGを買ったら他にも使える
この海面プレートだけのために透明PETGを買うと、少し使い道に悩むかもしれません。せっかく買うなら、他の用途にも使えると安心です。
透明PETGは、完全な透明パーツを作る素材というより、少し光を通す半透明パーツとして考えると使いやすいです。たとえば、簡易的なクリアスタンド、展示ベースの光を通すパーツ、LEDの拡散パーツ、窓やクリアカバーの試作、フィギュアや艦船模型の背景プレートなどに使えます。
特に、LEDと組み合わせるパーツや、光を少し透過させたい展示ベースとは相性が良さそうです。透明度を求めすぎると難しいですが、半透明の質感を活かす方向なら面白い素材です。
今回の海面プレートも、その使い道のひとつです。テクスチャープレートの模様と組み合わせることで、透明PETGの半透明感が水面らしく見えました。

こちらは今回使用した eSUNのPETGです。結構濃いめの青なので気に入っています。
使用している3Dプリンターやフィラメント、乾燥機などは、こちらの記事にもまとめています。
あると便利なもの
今回の海面プレートを作るなら、次のようなものがあると便利です。
- 透明PETGフィラメント
- テクスチャープレート
- フィラメント乾燥機
- WAVEなどの展示ケース
- 青系や濃紺の下地紙
透明PETGは湿気の影響を受けると、糸引きや表面荒れが出やすくなります。見た目を重視するプレートを作る場合は、印刷前に乾燥しておくと安心です。

今回のように見た目を重視するプレートでは、透明PETGの乾燥状態や展示ケースのサイズを先に確認しておくと安心です。
次は艦首波や白波も試したい

※こちらは独特の迷彩模様が特徴の 飛行艇母艦 秋津洲。1/700だととてもかわいらしい船です。
アオシマさんのキットです。他にピットロードさんからも出ています。
飛行艇母艦 秋津洲を今回の3Dプリンターで作った海面シートの上に載せてみました。結構雰囲気がでます。
今回作ったのは、あくまで平面の海面シートです。上に艦船模型を置くだけでも雰囲気は出ますが、走行中の艦らしく見せるなら、艦首波や白波も欲しくなります。
艦首から左右に広がる波や、船体の横に沿う白波を別パーツで作れれば、この海面プレートの上に追加できます。透明PETGの板をベースにして、白や透明のフィラメントで波パーツを足す形です。
艦首波まで一体で作ると少し難しくなりますが、まずは別パーツとして作れば試しやすそうです。形状はきれいに作りすぎるより、少しランダムな方が水の表現には合うかもしれません。
このあたりは、次の課題にします。まずは平面の海面シートとして使い、そこから少しずつ作り込んでいくのが良さそうです。

戦艦金剛の大正時代(1914)の大幅改装前の姿です。カジカさんからキットが出ています。
カジカさんからは同年代の金剛型4隻とも出ています。いいキットですよ。
ディスプレイケースL型だと本当にぎりぎりで戦艦金剛も収まります。
まとめ
今回は、透明PETGとテクスチャープレートを使って、3Dプリンターで海面シート風のプレートを作ってみました。
作り方はとても簡単です。薄い板を作って、透明PETGで印刷するだけです。テクスチャープレートに接していた面を上にすると、細かい模様が波のように見えます。
艦船模型の下に敷くと、ただ台座に置くよりも海の上にいる雰囲気が出ます。まずはそのまま船を置くだけでも使えますし、あとから艦首波や白波を追加して作り込むこともできます。
印刷するときは、下面シェル層と上面シェル層を少し多めにするのがポイントです。目安として、0.2mm積層なら上面・下面ともに5〜7層くらいにすると、インフィルの模様が目立ちにくくなります。
市販の水面シートを使うのも良いですし、3Dプリンターで自分のケースに合わせて作るのも良いと思います。今回は、Bambu Labと透明PETGで手軽に海面シートが作れることが分かりました。
透明PETGの使い道としても、これはかなり面白いです。艦船模型の展示ベースを作りたい人は、一度試してみる価値があると思います。
それと過去の作品を載せることができて楽しかったです。
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