3Dプリンターで何を作る?迷った時の目的別ガイド


comparison of practical 3D printed desk items and a runner organizer for model workbench improvement

What should you make with a 3D printer? Start from what you want to use, display, improve, or make for yourself.

3Dプリンターを買ったあと、一通り作った後、意外と悩むのが、
「3Dプリンターで何を作る?」だと思います。

しかし、最初に作りたかったものを出力したあと、実はそれなりに3Dプリンター知識は知らず知らずの間に自分の中に蓄積されているのです。
そこから3Dプリンターで作れるものは一気に広がるのです!

便利グッズ。
収納用品。
模型用パーツ。
フィギュアの台座。
作業を楽にする道具。
自分の趣味に合わせたディスプレイ用品。

作れるものが多いからこそ、逆に迷ってしまうことも。

この記事では、3Dプリンターで作るものを目的別に整理します。

細かい作例を深く紹介するというより、
「自分はどの方向で作ればいいのか」を決めるための入口記事です。


まず結論|迷ったら「使う場面があるもの」から作ってみよう!

3Dプリンターで作るものに迷ったら、最初は実際に使う場面があるものから選ぶのがおすすめです。

deskorganyzer

たとえば、

  • ケーブルホルダー
  • 小物トレー
  • スマホスタンド
  • デスクオーガナイザー
  • 工具置き
  • 模型用のランナー整理台
  • 缶バッジや時計のディスプレイスタンド
  • 模型・フィギュア用の展示ベース

あとよりの三つは自分の趣味です。
ようするに

見た目が派手なものよりも、
「机の上で使えそう」
「作業が少し楽になりそう」
「好きなものを飾れそう」

と思えるものの方が、最初はより気持ちが入ります。

しかも、作ったあとに実際に使えるので、
良かった点や改善したい点も分かりやすくなります。

3Dプリンターの面白さは、ただ出力することだけではありません。

使ってみて、
「もう少し幅が欲しい」
「高さを変えたい」
「自分の模型に合わせたい」

と思ったところを直していけることです。

ここから先では、3Dプリンターで作れるものを目的別に5つに分けて整理します。
自分がどの方向に進みたいか、まずは次の早見表で確認してみてください。


目的別|3Dプリンターで作れるもの早見表

3Dプリンターで作れるものはたくさんありますが、ここでは目的で分けてみました。

分類作れるものの例向いている人
実用品ケーブルホルダー、小物トレー、スマホスタンドまず使えるものを作りたい人
プリンター周辺品フィラメントクリップ、工具置き、ノズルケース3Dプリンターを使いやすくしたい人
趣味のディスプレイ用品缶バッジホルダー、時計スタンド、ミニ台座(人によって違う)好きなものを飾りたい人
模型・フィギュア展示用品展示ベース、海面プレート、ネームプレート(これも人によって違う)作品を見栄えよく飾りたい人
自作ツールランナー整理台、治具、パーツトレー自分の作業環境を改善したい人

初心者が始めやすいのは、実用品やプリンター周辺品です。

一方で、長く楽しみやすいのは、趣味用品や自作ツールです。

特に模型やフィギュアを作る人にとって、3Dプリンターは相性の良い道具です。

完成品を作りたい!という目的から入った方も多いと思います。
一方最近の私の興味は飾る・支える・整理する・作業しやすくするために3Dプリンターを利用する!です。

目的が決まっている方はこちら

興味のある方向が決まっている場合は、実際に制作した作例も参考にしてください。


最初は既存モデルから始めていい

3Dプリンターを使い始めたばかりの頃は、最初から自分で設計する必要はありません。
まずは公開されている3Dモデルを使って、実際に出力してみるのがおすすめです。
代表的な3Dモデル共有サイトには、次のようなものがあります。

Bambu Labのプリンターを使っている場合は、MakerWorldが始めやすいと思います。
※Bambu lab 製プリンターを持っている方には言うまでもありませんね。
PrintablesやThingiverseにも、実用品や収納用品、工具系のモデルが多くあります。

最初は、

  • 形がシンプル
  • サイズが大きすぎない
  • サポートが少ない
  • 実際に使う場面がある

ものを選ぶと失敗しにくいです。

いきなり大物や複雑なモデルを選ぶより、短時間で出力できるものから始める方が気楽です。


実用品|最初の成功体験を作りやすい

実用品は、3Dプリンターで最初に作りやすいジャンルです。

cableholder 3Dprint

たとえば、

  • ケーブルホルダー
  • 小物トレー
  • スマホスタンド
  • ペン立て
  • フック
  • 袋止めクリップ

などです。

こうしたものは、作ったあとにすぐ使えます。
机の上、棚、キッチン、作業台まわりなど、ちょっとした不便を解消するものは、3Dプリンターと相性が良いです。
ただし、実用品ばかり作ると、似たような収納グッズが増えすぎることもあります。

作る前に、

「どこで使うか」
「本当に置き場所があるか」

を考えておくと良いです。


プリンター周辺品|3Dプリンターを使いやすくする

3Dプリンターを使い始めると、プリンターまわりにも欲しいものが出てきます。

  • フィラメントクリップ
  • ノズルケース
  • スクレーパー置き
  • 工具置き
  • 乾燥剤ケース
  • フィラメントサンプル札

こうしたものです。
3Dプリンターで、3Dプリンターを便利にする道具を作る。
これはかなり自然な使い方です。
フィラメントやノズル、工具が増えてくると、整理用品の効果も分かりやすくなります。

私もそうでしたが、これらのグッズは3Dプリンター購入者が最初に通る道なのではないでしょうか。
一通り作り終えるといくつもいるものではないので、もういいかなって感じになります。


趣味・ディスプレイ用品|好きなものを飾るために作る

一通り身の回りの便利グッズや3Dプリンター周りを作ったところで私の場合は何か別のものが作ってみたくなりました。

一つはそもそもの目的だった艦船模型なのですが
かなり大作になるので「1/150 駆逐艦雪風建造記録」を見てもらえると嬉しいです。
特にこの記事では、自作する際にFusion360で多用するテクニックであるロフト、ミラーなどを使用しており参考になるかも知れません。
駆逐艦雪風 | 第3章-2:艦橋の設計(Fusion 360)側面図・俯瞰図から“積み上げ”で形を作る

一方、3Dプリンターは、趣味のものを飾るためにもかなり使えます。
たとえば、私の場合

などです。

市販品でも似たものはあります。

でも、趣味のものはサイズや雰囲気が合わないことも多いです。

「この缶バッジにちょうどいい角度で飾りたい」
「この時計に合う雰囲気の台座が欲しい」
「模型と一緒に置いても違和感がないものにしたい」

こういう自分の細かいこだわりに合わせてパーソナライズできるのが、3Dプリンターの強みです。


模型・フィギュア展示用品|作品の見せ方を変えられる

模型やフィギュアを作る人にとって、3Dプリンターは完成品を引き立てる道具にもなります。

Yamato and Yukikaze ship models displayed with a black and gold 3D printed nameplate
大和と雪風の艦船模型に、黒地金文字の3Dプリント製ネームプレートを合わせた展示例。

たとえば、

などです。

模型やフィギュアは、本体が完成しても、

「どう飾るか」
「どう撮るか」
「どう世界観を出すか」

で印象が大きく変わります。

既製品の台座では合わない場合でも、3Dプリンターならサイズや雰囲気を自分で合わせることができます。

艦船模型なら、海面ベースやネームプレート。
美プラやフィギュアなら、格納庫風ベースや展示台。
キャラクター展示なら、作品の雰囲気に合わせた台座。

こうしたものは、単なる便利グッズではなく、作品の見せ方そのものに関わる部分です。

SHIPYARD & SOULSHIPでは、こういったものをこれからも載せていきたいと思います


自作ツール|自分の作業を楽にする

3Dプリンターで作るものとして、個人的にかなり面白いと思うのが自作ツールです。
自作ツールといっても、大げさなものではありません。
自分の作業を少し楽にする道具です。

SHIPYARD & SOULSHIP RUNNER STAND

たとえば、

  • 工具置き
  • パーツトレー
  • ランナー整理台
  • 塗料瓶スタンド
  • 接着時の位置決め治具
  • 穴あけ用ガイド

などです。

模型を作っていると、机の上にランナー、工具、塗料、接着剤、細かいパーツが一気に広がります。
作業そのものより、

「どこに置いたか分からない」
「ランナーが重なる」
「パーツが転がる」
「工具が机の奥に行く」

という小さなストレスが出てきます。
そういう不便を、自分の作業環境に合わせて解消できるのが3Dプリンターの良いところです。

このブログで作っている「RUNNER DOCK mini」も、模型作業中のランナー整理をしやすくするために作ったものです。
これは市販で販売しているランナースタンドがランナーのサイズが合わなかったり、工具入れを一緒に置きたいなどといった
希望を自分なりにあわせてつくったものです。

制作したアイテムはBOOTHにも置いています

RUNNER DOCK miniをはじめ、3Dプリンターで制作した模型作業用アイテムやディスプレイ用品は、BOOTHでも公開・販売しています。

「実際にどんなものを作って販売しているのか」を見てみたい方や、「3Dプリンターで作ったものを実際に販売してみる」一例としても参考になるかもしれません。
どんなものを作っているのか気になる方は、よろしければのぞいてみてください。


本当に面白くなるのは「少し合わない」を直すとき

最初は、公開されているモデルをそのまま作るだけでも十分楽しいです。
ただ、使っているうちに、少しずつ気になるところが出てきます。

  • もう少し幅が欲しい
  • 高さを変えたい
  • 穴の位置が少し違う
  • 自分の机には大きすぎる
  • 手持ちの模型にはサイズが合わない
  • もう少し見た目を変えたい

この「少し合わない」が、自作への入口です。
3Dプリンターの価値は、完成されたものを手に入れることだけではありません。
自分の環境に合わせて、少しずつ形を変えられることです。

まず作る。
使ってみる。
気になるところを直す。
もう一度作る。

この繰り返しが、3Dプリンターらしい楽しさだと思います。


自作したくなったらFusion 360などを使う

既存モデルをいくつか作ってみて、

「ここを変えたい」
「ちょうどいいサイズのものが見つからない」
「自分専用の道具が欲しい」

と思うようになったら、自作に進むタイミングです。
収納、スタンド、治具、台座のようなものを作るなら、Fusion 360のような3DCADが向いています。
寸法を決めて、箱や穴や円柱を組み合わせていく設計に強いからです。

Fusion360をマスターするための教科書

Fusion360を覚えよう!と決めたのち何冊か本を読んだのですが、もっとも参考になったのは
「Fusion360 マスターズガイド」でした。

とても分かりやすく丁寧に実例付きで解説されています。
※改訂版が出た場合は最新のものを購入されることを強くお勧めします。
 ソフトは細かい変更をすることが多く古いものではそのままできない時があるからです。

一方で、キャラクターやフィギュアのような曲面が多いものは、Blenderなどのソフトが向いています。
最初から難しいものを作る必要はありません。

小さなスタンド。
簡単な箱。
穴を開けただけのホルダー。
少し角度をつけた台座。

そういうものからで十分です。

私は普段はFusion360を使って設計することが多いのですが、Blenderも簡単なものは覚えてみました。
こういった教本はいろいろ出るのですが、これはおすすめです。
ともかく最新のバージョンをカバーしているものの方がストレスが少ないです。


次に読む記事|目的別に詳しく見る

ここから先は、目的に合わせて個別記事を読んでいただければ幸いです。

具体的に作れるものを見たい場合

まず作れるものを一覧で見たい場合は、ベスト10形式の記事が分かりやすいです。

関連記事:家庭用3Dプリンターで作るものベスト10|そして実際に使い続けているもの7選


模型作業を効率化したい場合

プラモデルや艦船模型を作る方には、ランナー整理や工具整理のような作業効率化ツールが便利です。
ランナーを探している時間がとてももったいないので自分で作ってみました。
これを使ってガンプラや美プラを作っている現在はかなりストレスフリーですよ!

SHIPYARD & SOULSHIP rannner Stand

関連記事:模型作業に集中できるランナー整理台|RUNNER DOCK mini


好きなグッズを飾りたい場合

缶バッジ、時計、アクリルスタンド、ミニフィギュアなどを飾りたい場合は、ディスプレイ用品が向いています。

Two 3D printed 56mm can badge holders with porthole-style frames and display bases.

関連記事:3Dプリンターで57mm缶バッジホルダーを自作|推し活グッズを飾れるディスプレイスタンド

3D printed pocket watch stand Moonlit Sea designed for Yamato Nagato Kaga naval watches
軍艦モチーフ懐中時計に最適化した3Dプリント時計台「Moonlit Sea」

関連記事:3Dプリンターで作る懐中時計スタンド|軍艦時計に最適化した時計台「Moonlit Sea」


模型を飾りたい場合

模型やフィギュアの完成品を見栄えよく飾りたい場合は、展示ベースやネームプレートが役立ちます。

3Dprinter Name Plate

関連記事:艦船模型用ネームプレートを3Dプリンターで自作

kongo sea surface sheet

関連記事:透明PETGで作る艦船模型用の海面プレート


自分で設計してみたい場合

既存モデルを使うだけでなく、自分でサイズや形を決めたい場合は、Fusion 360などの3DCADを覚えると便利です。

関連記事:Fusion 360モデリング総合ガイド


まとめ|作るものに迷ったら、自分の生活や趣味から考える

3Dプリンターで作るものに迷ったら、まずは自分の生活や趣味の中から考えるのがおすすめです。

特別なものを作らなければいけないわけではありません。

  • 机の上で使うもの
  • 収納を少し楽にするもの
  • 作業中のストレスを減らすもの
  • 好きなものを飾るためのもの
  • 模型やフィギュアを引き立てるもの

こうした身近なものからで十分です。

最初は既存モデルを作ってみる。
使ってみて、少し合わないところを見つける。
必要なら、自分で少しずつ直していく。

この流れが、3Dプリンターを長く楽しむための基本だと思います。

3Dプリンターは、ただ物を出力する機械ではありません。

自分の好きなもの、自分の作業、自分の生活に合わせて、少しずつ形を作っていける道具です。

作るものに正解はありません。

自分が使いたいもの。
自分が飾りたいもの。
自分が少し楽になるもの。
自分が見て楽しいもの。

そこから始めればいいと思います。


BOOTH・ショップ

SHIPYARD & SOULSHIPでは、3Dプリンターで制作した模型作業用ツールやディスプレイ用品を少しずつ公開・販売しています。

気になるものがあれば、こちらものぞいてみてください。


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