
Resin prints not sticking to the build plate is usually caused by incorrect exposure and bottom layer settings.
- まず露光と初期層を確認します
- 付かない症状は3つに分けて考えます
- 原因を順番に切り分けると再現性を持って直せます
この記事の適用範囲
この記事は、光造形(レジン方式)で「プレートに何も付かない」「途中で剥がれる」「サポートだけ残る」といった失敗を、原因ごとに切り分けて対処したい方向けの記事です。
露光時間の記事だけでは判断しにくいケースもあるため、今回は「何も付かない」「途中で落ちる」という症状から逆算して見直す順番をまとめます。
なお、露光時間そのものの考え方を先に整理したい場合は、
光造形3Dプリントでプレートに何も付かない(密着ゼロ)の原因と対処法|チェック手順まとめ
もあわせてご覧ください。
再現条件(検証環境)
まずは条件を固定してから見直します。
ここを毎回変えてしまうと、何が効いたのか分からなくなるためです。
尚、私は普段、水洗いABS-likeレジンをメインに使っており特に初期層露光時間は長めにとっています。
- プリンター:[Saturn Ultra 12K など]
- レジン:[ELEGOO ABS-like など]
- スライサー:[CHITUBOX]
- 初期層露光時間:[35秒]
- 通常露光時間:[2.5秒]
- 初期層数:[5層]
- 積層ピッチ[0.05mm]
- リフト速度:[ ]
- 配置角度:[15°]
- 室温:[25℃]
まず症状を3つに分けます
「付かない」と一言で書かれがちですが、実際には原因が違います。
最初に自分の失敗がどの型かを分けると、その後の調整がかなり楽になります。
1. プレートに完全に何も付かない
ビルドプレートに硬化物が残らず、FEP側に薄い膜だけが残る状態です。
この場合は、まず露光不足か、プレートとの密着不足を疑います。
2. 最初は付くのに途中で剥がれる
底面や土台はできているのに、途中から造形物が消えるパターンです。
この場合は、初期層の強さは足りていても、その後の剥離負荷に負けていることがあります。
3. サポートだけ残って本体が出ない
ベースやサポートの根元はあるのに、モデル本体が途中から無い状態です。
この場合は、角度・サポート・剥離抵抗の影響が強いことが多いです。
先に結論を書くと、最優先で見るのはこの3つです
自分なら、まず次の順番で見ます。
- 初期層露光時間
- 初期層数
- レベリング
ここで改善しない場合に、FEPや配置角度まで広げます。
最初から全部触ると、原因がぼやけて逆に迷いやすいです。
1. 初期層露光時間が足りない
プレートに完全に何も付かないときは、まずここを見ます。
光造形では初期層が「接着層」の役割を持つので、ここが弱いとその後の設定以前に残りません。
どういうときに疑うか
- プレートに何も残らない
- FEPに薄い膜だけ残る
- 何度やっても同じ失敗になる
自分がやる調整の仕方
いきなり大きく変えると、どこで改善したのか判断しにくくなります。
なので、自分ならまず [+5秒]ずつ 動かします。
ここは「一発で当てる」より、少しずつ上げて変化を見る方が失敗が少ないです。
やってみると、全く残らなかったものが、あるところで急にベタっと付く感覚があります。
上げすぎの見分け方
逆に上げすぎると、プレートから外しにくくなります。
このあたりは、ただ付けばよいではなく、付くけれど外せるところを探すイメージです。
露光時間の決め方そのものは、
光造形レジンの露光時間の決め方|失敗から分かる適正設定
で詳しく整理しています。
2. 初期層数が少ない
露光時間を見直しても、最初だけ付いて途中で剥がれる場合は、初期層数も見直します。
ここが少ないと、接着の厚みが足りず、剥離時の力に負けやすくなります。
どういうときに疑うか
- 土台は残る
- 数層だけできて途中で止まる
- サポートだけ残りやすい
自分がやる調整の仕方
ここも一気に増やしすぎず、まずは [+1〜2層] で様子を見ます。
露光時間だけで無理に解決しようとすると、底面が硬すぎる方向に行きやすいので、露光と層数は分けて考えた方が整理しやすいです。
3. レベリングがずれている
片側だけ付かない、何度やっても結果が不安定、という場合はレベリングを疑います。
この原因は設定画面では見えないので、見落としやすいところです。
どういうときに疑うか
- 右だけ付かない、左だけ残る
- 同じ設定なのに成功したり失敗したりする
- プレート全面で結果が揃わない
見直し方
一度レベリングをやり直して、紙を挟んだ状態で固定します。
このとき、強く締めすぎるよりも、全面で同じ抵抗感になるかを重視した方が安定しやすいです。
自分の感覚では、「軽く引っかかる」くらいのところが基準になります。
4. FEPフィルムの状態が悪い
ここまで見ても直らないなら、FEPの状態を確認します。
FEPが曇っていたり、張りが弱くなっていたりすると、剥離時の抵抗が増えて造形物が途中で負けます。
チェックポイント
- フィルムに曇りがある
- 傷が増えている
- 押したときに張りが弱い
- 剥離音が以前より強い
考え方
設定だけで解決しようとしても、フィルム側の状態が悪いと安定しません。
露光時間を上げても直りにくい場合は、設定より先に物理側を疑った方が早いことがあります。
FEP交換の目安や見方は、
光造形レジンのFEPフィルム交換目安と管理方法|失敗を減らすポイント
も参考になります。
5. 配置と角度が平面的すぎる
サポートだけ残る、本体が途中で無くなる、というときは配置も見直します。
大きい平面をそのまま置くと、剥離のたびに一気に引っ張られて負荷が集中します。
自分の考え方
自分は、まず「この面が一気に剥がれにいっていないか」を見ます。
平面が大きいままだと、設定を少し触っても失敗が続くことがあります。
調整の方向
- 角度を付ける
- 一気に剥がれる面積を減らす
- サポートのかかり方を見直す
角度の考え方は、
光造形(レジン方式)「印刷の向き・角度」決め方:失敗を減らす判断手順
にもつなげられます。
迷ったときの確認順
自分なら、この順番で見ます。
- 初期層露光時間
- 初期層数
- レベリング
- FEPの状態
- 配置角度
この順番にすると、設定で直る問題なのか、物理的な状態の問題なのかが見えやすくなります。
まとめ
光造形で「プレートに付かない」ときは、原因を一つに決めつけない方が整理しやすいです。
まずは初期層の露光時間と層数を見て、それでも直らないときにレベリング、FEP、配置へ進む流れが分かりやすいです。
露光時間そのものを基準から見直したい場合は
光造形レジンの露光時間の決め方|失敗から分かる適正設定
FEPの状態が気になる場合は
光造形レジンのFEPフィルム交換目安と管理方法|失敗を減らすポイント
配置の考え方を整理したい場合は
光造形(レジン方式)「印刷の向き・角度」決め方:失敗を減らす判断手順
もあわせてご覧ください。
この考え方は模型全般だけでなく、日用品や治具など他の3Dプリント作品にも共通する考え方です。

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