
Wood PLA filament can give 3D printed display parts a warmer and less plastic-like look.
この記事で分かること
この記事では、ウッドフィラメントを実際に使ってみて、普通のPLAと比べてどのように見た目が変わるのかをまとめます。
とくに今回は、3Dプリンターで作るディスプレイ用品のパーツとして使い、スムースプレートに接した面を天板として使うという方法を試しました。
先に結論
- ウッドフィラメントは、3Dプリント品のプラスチック感をかなり抑えやすい素材です。
- スムースプレートに接した面を見える面にすると、机の天板のような落ち着いた質感になりました。
- 差し込み式の部品では、通常のPLAより少しきつく感じる場合があるため、寸法には余裕を持たせた方が安心です。
ウッドフィラメントとは
ウッドフィラメントは、PLAなどの樹脂に木質系の成分を混ぜた3Dプリンター用フィラメントです。
本物の木材のような木目を完全に再現する素材ではありませんが、普通のPLAよりもプラスチック感を抑えやすく、台座や小物、ディスプレイ用品に落ち着いた雰囲気を出しやすい素材です。
ただ、木質系の素材を混合しているのでノズルに詰まりやすかったり(0.4mm以上を推奨)、少し高めの温度設定が必要など少し注意も必要です。
今回の記事では、このウッドフィラメントを使い、3Dプリント品の台座に木の天板のような質感が出せるかを試しました。
あわせて、出力時の設定や寸法調整で気づいた点もまとめます。
ウッドフィラメントを使ってみた理由
3Dプリンターで台座やディスプレイ用品を作るとき、普通のPLAでも十分きれいに出力できます。
ただ、白や黒のPLAだけだと、どうしても「プラスチックで作った部品」という印象が強くなりやすいです。
本物の木材そのものに見せるというより、3Dプリント品の印象を少しやわらかくする素材として使えるかを確認するのが目的です。

【ISANMATE ウッドフィラメント】
写真は少し暗めに出ています。ウッドフィラメントに限らず、アマゾンなどの写真は実物と少し違って見えることが多いので注意しましょう。実際にはもう少し明るい色です。
今回使ったウッドフィラメントのように、作品の見た目を変えたい場合は、素材選びもかなり重要になります。
私が普段使っているフィラメントや工具については、以下の記事でもまとめています。
使用した環境
今回の出力環境は次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プリンター | Bambu Lab A1 |
| ノズル | 0.4mm |
| フィラメント | iSANMATE Wood PLA |
| フィラメント設定 | Bambu PLA Wood |
| プレート | スムースプレート |
| レイヤー高さ | 0.16mm |
| 外壁速度 | 40mm/s |
| 内壁速度 | 90mm/s |
| 1層目速度 | 30mm/s |
| トップ面速度 | 50mm/s |
| ノズル温度 | PLAより少し高め。210~215℃程度 |
| のりの塗布 | なし |
ウッドフィラメントは普通のPLAより少し扱いにくい印象があったため、速度は全体的に控えめにしました。
特に外壁速度は、見た目に影響しやすいため40mm/sにしています。
内層もデフォルトの半分以下に落としています。
今回はウッドフィラメントなので速度を控えめにしましたが、Bambu Studioではフィラメントや形状に合わせて速度・温度・プレート設定を見直すことが大切です。
Bambu Studioの基本的な見直し方は、以下の記事でもまとめています。
関連記事:Bambu Studio設定の基本|反り・一層目・糸引き・TPUを見直すチェックリスト

【A1にフィラメントをセット】
ウッドフィラメントは0.4mmノズルで使える?
今回は0.4mmノズルで出力しましたが、少なくとも今回の形状と設定では大きな詰まりはありませんでした。
ただし、ウッドフィラメントは製品によって木質成分の量や粒子感が違うため、不安な場合は速度を落として小さな部品から試すと安心です。
スムースプレート面を天板として使ってみた
今回いちばん試したかったのは、スムースプレートに接した面を見える天面として使うことです。
通常、3Dプリント品の上面は積層の線が見えます。
それも3Dプリントらしい味ではありますが、台座や机のような部品では、もう少し平らで落ち着いた面が欲しくなることがあります。
特にウッドフィラメントは少し荒れるのであればスムースプレートの接地面で抑えれば丁度狙った机の上感が出るのではないかと思いました。
その結果、プレートに接していた面がなめらかに仕上がり、狙ったような机の天板のような質感になりました。
ウッドフィラメント特有の色味と、スムースプレートの平滑な面が合わさることで、普通のPLAよりもかなり自然な印象になります。

普通のPLAと比べると印象がかなり違う
同じ形状でも、普通のPLAとウッドフィラメントでは印象が大きく変わります。
白系のPLAは清潔感があり、明るい雰囲気になります。
一方で、ウッドフィラメントは少し落ち着いた雰囲気になり、台座や小物入れ、飾り台のような用途に向いていると感じました。
特に今回のようなディスプレイ用品では、ウッドフィラメントを使うことで、作品全体が少し家具や展示台に近い印象になります。

【白PLA版とウッドPLA版の比較写真】
木目そのものを期待しすぎない方がいい
使ってみて感じたのは、ウッドフィラメントは「本物の木材のような木目がはっきり出る素材」というより、木のような色味と質感でプラスチック感を減らす素材だということです。
もちろん、積層方向や光の当たり方によっては、木目のように見える部分もあります。
ただし、天然木のような不規則な木目をそのまま再現する素材ではありません。
そのため、期待する方向としては、
木材そっくりにする素材
ではなく、
3Dプリント品を少し自然な雰囲気に近づける素材
と考えた方が使いやすいです。
差し込み部は通常PLAより少しきつくなった
今回、実際に作ってみて重要だと感じたのが、組み合わせ部品の寸法です。
通常のPLAで作ったときと同じ設計のままウッドフィラメントで出力したところ、窓枠パーツの差し込みが少しきつく、そのままではうまく入りませんでした。
原因としては、今回の条件では通常のPLAよりわずかに収縮が強く出た可能性があります。
また、ウッドフィラメント特有の表面の質感によって、差し込み部分の摩擦が増えた可能性もあります。
そこで、台座側の差し込み穴を調整しました。
| 調整箇所 | 調整内容 |
|---|---|
| 横方向 | 片側0.15mmずつ拡張 |
| 縦方向 | 0.1mm拡張 |
この調整を行ったところ、窓枠パーツがちょうどよくはまるサイズになりました。

ウッドフィラメントはどんな用途に向いているか
今回使ってみて、ウッドフィラメントは見た目を重視する部品にかなり向いていると感じました。
向いている用途としては、次のようなものがあります。
- ディスプレイ用の台座
- アクリルスタンドや缶バッジの飾り台
- 小物置き
- 模型用の展示ベース
- 木箱風のパーツ
- インテリア寄りの3Dプリント作品
- 美少女プラモデルのインテリア
一方で、強度や精密なはめ込みを最優先する部品では、通常のPLAとまったく同じ感覚で使うより、少し余裕を持って設計した方が安心です。
使ってみて分かった注意点
今回の範囲で感じた注意点は、次の3つです。
速度はぐんと落とした方がよい
ウッドフィラメントは、普通のPLAよりも質感を見せる目的で使うことが多い素材です。
そのため、速く出力するよりも、外壁速度を少し落として安定させた方が仕上がりを確認しやすいです。
今回は外壁速度を40mm/sにしました。
そのほかの設定は、冒頭の表を参考にしてください。
スムースプレート面は天板として使いやすい
スムースプレートに接した面は、想像以上にきれいに出ました。
今回のように台座の天板として使う場合、あえて見える面をプレート側に向けるのはかなり有効だと思います。

スムースプレートを使うと、接地面がきれいに仕上がる
今回の結果で大きかったのは、ウッドフィラメントそのものだけでなく、スムースプレートに接した面の仕上がりです。
通常のテクスチャPEIプレートでは、接地面に細かな凹凸が出ます。
それはそれで便利ですが、今回のように「台座の天板」として見せたい場合は、表面が少し粗く見える可能性があります。
今回は、台座の天板になる面を下向きにしてスムースプレートに接するように配置しました。
その結果、プレートに接していた面がなめらかに仕上がり、木製の机や飾り台のような落ち着いた印象になりました。
ウッドフィラメントで台座やディスプレイ用品を作るなら、見せたい面をスムースプレート側に向けるという方法はかなり使いやすいと思います。
なお、使用できるプレートはプリンターの機種によってサイズや対応が異なります。購入する場合は、自分のプリンターに対応したサイズか確認してください。
私はA1 miniは、Bambu Labの純正スムースプレートを使っているのですが、A1についてはサードパーティのスムースプレートを使用して今のところ問題ありません。必要な場合はレビューなどを参考にして購入してみるのがいいと思います。
今回のように、3Dプリンターで作ったものを実用品やディスプレイ用品として使う場合、材料だけでなく「どう見せるか」も大切になります。
今回のような台座やディスプレイ用品は、3Dプリンターで作れる実用品の一例です。
3Dプリンターで何を作れるのか、実用品・趣味の作品・自作ツールの考え方については、以下の記事でもまとめています。
関連記事:3Dプリンターで何を作る?実用・趣味・自作ツールの考え方・紹介
差し込み式の部品は寸法確認が必要
通常のPLAと同じ設計でも、ウッドフィラメントでは少しきつくなる場合があります。
差し込み穴や溝を使う場合は、最初から少し余裕を持たせるか、小さなテスト部品で確認してから本番に進むと安心です。
差し込み式の部品では、見た目だけでなく、実際に組み立てられる寸法にすることが重要です。
Fusion 360での設計や寸法調整については、以下の関連記事にもつなげられます。
関連記事:Fusion360モデリング総合ガイド
まとめ
ウッドフィラメントを実際に使ってみたところ、台座やディスプレイ用品にはかなり相性が良い素材だと感じました。
正直、ウッドフィラメントおすすめです!
本物の木材のような木目がはっきり出るわけではありませんが、普通のPLAよりもプラスチック感が抑えられ、作品全体が落ち着いた印象になります。
特に今回は、スムースプレートに接した面を天板として使うことで、机の上面のような質感を出すことができました。
一方で、差し込み式の部品では通常PLAより少しきつくなる場面もあったため、組み合わせ部品では寸法に少し余裕を持たせることが大切です。
今回の作例では、缶バッジを飾るための台座に使いました。
次の記事では、この作例を素材検証ではなく、**「推しを飾る小窓」**として、ディスプレイ用品そのものの視点から紹介していく予定です。
商品紹介

で完成したのがこちらの缶バッチホルダー
思いのほかいい作品ができたな~と思いましたので少量ずつBoothに載せています。
もし興味がわいたらそちらにもお立ち寄りください。
※缶バッチはとても大事なので付属しません。

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